昨日の関堂さんのM4(メディア批評日記)より、アンサンブル・モデルンの「グレッガリー・ペッカリー」についての記述。
原曲のコピーというわけではない。今日日のポピュラー音楽でいうところのカヴァーというのでもない。ちょうどそれは,クラシック音楽の作品が優れた演奏によって新しい表情を見せてくれるような,そんな発見をもたらしてくれた演奏だと(私個人にとっては)いいうる。
ボクも同じ事を感じました。このアルバムがフランク・ザッパの楽曲のカヴァーをしているアルバム—-俗にいう「トリビュート・アルバム」みたいな感じで—-だと言う様な事はまったく感じませんでした。まさにストラヴィンスキーの作品をベルリン・フィルが演奏してるかの様な感覚の様で、でもちょっと違う感じもする変な感覚。これはちょっと面白い感覚でした。大山甲日さんのライナーノーツにも書かれている様に、このアルバムはザッパ名義のオフィシャル・アルバムとしてカウントされる—-「イエロー・シャーク」などの様に—-可能性があったのだそうです。そういう経緯は知らなかったものの、ボクの中ではほとんどオフィシャル扱いとして認識してしまっていたからなのかもしれません。勿論これはアンサンブル・モデルンというオーケストラの演奏だからかも知れないです。ケント・ナガノ指揮シカゴ交響楽団でザッパ作品のアルバムが出たら、同じ様な感覚になるのでしょうか? (これは微妙な所ですね)。ならば世界中のテクシャンを集めてバンドを結成して、ザッパ作品のアルバムを作ったらどうなのでしょう? 多分それでは今回の様な感覚は味わえないのでしょう。……となると、「ベスト・バンド」のメンバーを全員揃えて、ザッパ作品のアルバムを作ったらどうなのだろう? なんかこれが一番近い気がします。こうなれば、
石黒彰さんが
日記(2003年11月27日)でなっなっなっ何だコレー!すっすっすっ素晴らしい!!
と絶賛しているbohuslän big bandの"Plays Zappa"(
2003年11月20日のパザ日誌参照)も聴いてみたくなりました。どういう感覚で聴けるのでしょう?
考えてみると、ジャズのミュージシャンがマイルス・デイヴィスの「オール・ブルース」を取り上げて演奏する感覚や、ロック・グループがTotoの「ロザーナ」をカヴァーする感覚や、バルトークの「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」をボストン交響楽団が演奏する感覚って、同じ様な事をしてるのに、微妙に何かが違う気がしますね。面白いものです。