パザ日誌

2006年06月14日(水)

Tipographicaを聴きながらでは本は読めない

ここ最近はカフカの短編集を持ち歩いて読んでいたのですが、今日は岩城宏之さんのエッセイ『回転扉のむこう側』を持って。

iPodではTipographicaを聴いていたのですが、おとといに記憶で書いた『Tipographicaの8と7のポリリズム』っていうのを確認しておこうと思って探してたのですが、どの曲だったのかが分らなくなって困っておりました。こんなに聴き込んでるのに(苦笑)。

多分アルバム"God says I can’t dance"の中の曲で、初めの方の曲だったという記憶があったのですが、何故か見つけられない……。

で、結局このアルバムの2曲目『TP-1故障せよ(Control tower says,"TP-1,break down.")』の中頃からだっていうのを突き止め、ずっと聴いておりました。しかし、Tipographicaの凄い所は、何度聴き直しても新しい発見があるのです。ため息しか出ないくらいに凄い。

そうそう、肝心のポリリズム部分は、8と7のポリリズムじゃないし、ウワモノだけ7だっていうのも完全な勘違いでした。実際はドラム以外が7で動いてて、ドラムだけ4/4で叩いてる—-分りやすく言えば、1小節を共有していて、ドラムは4/4、他の楽器は7/8で進んでいるともとれるので、こういう部分ではまったく『ニャピョンガ』で導入したポリリズムと似ている—-のだと思うのですが、ドラムはシャッフルしてるので8っていうのは違ってたという事です。

こういう1小節を8で割るか7で割るかっていうのは、そのお互いのパルスが近いだけに、ハーモニーで言うと半音でぶつかる不協和な感じを与えかねないのです。勿論、これは前提と成る『不協和』の尺度の問題がある訳ですが、それは置いておいて、Tipographicaはそういう部分を『訛り』という事であぶり出し、あの独特なポリリズム世界を構築したという事でしょうね。このポリリズムパートの7のフレーズの最後のあたりと、(4/4で進んでる)ドラムの4拍目の3連符の真ん中を抜いたハイハットの音なんか、まさに『訛り』『揺らぎ』ですね。

また近いうちに、譜面と音も込みで『ニャピョンガ』のポリリズムの事も書きたいと思います。

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