とあるすなっくの前を通りかかったのだった。
ママさんらしき女性がひとりと、営業マンらしき人が3人が挨拶を交わしている。営業マンの内ひとりは若手でキャリーのついた鞄を持ってる。お酒の営業だろうか?などと思って歩きながら何気なく見ていたら、この若手だけ何か雰囲気が違う。どこがどうと説明は出来ないが、何かがちがうのである。挨拶をひとしきり終えて、ママさんが「どうぞ、どうぞ」と扉を開けた。中からカラオケで歌う女のヒトの声が聞こえて来る。「うちは狭いから、お客さんの中を通って行ってもらわんとあきませんけど......」ママさんがそう言ったのを聞いてやっと分かった。この若手さんは「演歌歌手」だったのだ。ふたりのいかにも営業マンさんは、両手に紙袋を持っている。そこから突き出ている丸めたものは、ポスターだね。そして、その紙袋の中身はきっとCDが入ってるのだろう。
演歌のヒトがすなっく巡りをするのは有名だけど、こんな細かい営業をするのか......。それでも 氷川きよしみたいに成れるのはごくまれなんだろうなぁ。「演歌」というジャンル自体がちょっと特殊やからねぇ。インディーズ・レーベルから出てる「演歌歌手」っていーひんのかなぁ。この時代、大手レコード会社だけが選択肢な時代じゃないと思うけどねぇ。