パザ日誌


2003年4月29日 (火曜日)----すぎもとともひで

「マルコヴィッチの穴」と弦チェレ

ヴィデオに録画してあった「マルコヴィッチの穴」を見ました。

劇場で公開中に一回見てるのですが、改めて見てみると殆どストーリーを覚えてなくて、これは何回でも楽しめる素晴らしい能力なのか、それともただのアホなのか、自分の中で混乱してたのですが、多分後者でしょう(笑)。

ビルの7と1/2階の天井の低いオフィスなんていう設定や、そこにある穴がマルコヴィッチの中に繋がってるなんて、その穴にマルコヴィッチ本人が入ってしまうなんて、安部公房的というか世にも奇妙な物語というか、そういう映画を当時シネコンなんかでやってたのが不思議ですね。マルコヴィッチ本人がマルコヴィッチとして出ていたりするのも面白いし。

でも今回一番びっくりしたのが、人形劇の時にかかってた曲がバルトークだったのですね。劇場で見た時に気付いてたのかどうか、それさえも忘れているのですが(やっぱりアホ?)、「えぇ曲やなぁ!」って思って聴いてて「あれ! これバルトークやん!!」って感じでした。「弦チェレ」ですね。

「弦チェレ」っていうのは実は通ぶっているだけなのですが(笑)、正式には「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」っていう曲なのです。ただ、長いので通称「弦チェレ」っていうんですよ。でも腐ってもアマチュアでもヘタレでも打楽器奏者のはしくれの人間が「弦チェレ」なんていう不条理な呼び方に加担して良いのか? なんていう葛藤もありつつ(苦笑)、ついついそう呼んでしまうのですよね。でも本当は「弦打チェレ」だろ! と一応怒っておきます。打楽器は無視かよ!! という事で。

あと、バルトークの曲でいえば有名どころ「管弦楽の為の協奏曲」っていうのもありますが、これは「オケコン」と言いますよね。これは英語で"Concerto for Orchestra"、つまり「オーケストラの為のコンチェルト」を略して「オケコン」になるという事です。「バルトークのオケコンとか弦チェレとか良いよね」なんて言えば「おおっ! 分かってらっしゃる!!」なんて通ぶる事が出来るので是非そういう筋の人と話しをする時には使ってみてください(笑)。