パザ日誌


2003年11月14日 (金曜日)----すぎもとともひで

ジョイント・コンサート@同志社大学

今年はちょくちょく大学のイヴェントを聴きにいってます。夏には菊地成孔さんと大友良英さんの音楽系セミナーで精華大学。今月も菊地さんと岸野雄一さんの講義とライヴを、京都造形芸術大学に。そして今日はコンサートを聴きに同志社大学に行ってきました。前にも書きましたがこのコンサートと「ロッキー・ホラー・ショー」はバッティングしていて----正確には時間は重ならないんですが、距離が離れてるので「ロッキー」に間に合わない----同志社をとったので、悲しいかな「ロッキー」は断念しました。

そういえば大学で思い出したのですが、今月二日にあった 種智院大学学祭にソニンが来てたのですね。ちょっとビックリ。何がビックリって、種智院大学もそういう大学になったんですね......という所にです。種智院大学ってひょっとしたら知らない人が多いんじゃないかと思いますが、たしか弘法大師空海がつくった「 綜藝種智院 しゅげいしゅちいん 」が起こりだと記憶してますんで、そうだとすると平安時代からある学校という事ですし、日本で最も古い学校という事になるんじゃないんですかね? そんな由緒ある学校なんです。数年前に東寺の所から今の伏見の所に移転したんですけれど、前の所では本当に地味な印象で、でもその分ボクは好感を持ってました。少なくとも学祭にソニンを呼ぶ様な学校ではなかった印象があるので、ちょっとビックリしました。もちろんソニンを呼ぶのが悪いなんてことは、全然思ってないですよ。イメージのギャップにビックリしただけです。

いやいや、全然関係ない所に話しがいってしまいましたが、そういう事で今夜は同志社大学内で行われたコンサートに行ってきたのでした。何か場違いな思いを感じながら......(苦笑)。

それで感想ですが、面白かった。まづ、プログラムが素晴らしかったです。

プログラム
  1. ジョン・ケージ/4分33秒
  2. カールハインツ・シュトックハウゼン/ツィクルス
  3. カールハインツ・シュトックハウゼン/ツィクルス(リヴァース・ヴァージョン)
  4. ジョン・ケージ/アリア
  5. ジョン・ケージ/One*4
  6. カールハインツ・シュトックハウゼン/ティアクライス
  7. ジョン・ケージ/龍安寺
出演
打楽器
小川真由子
バリトン
松平敬

見ての通り、ケージとシュトックハウゼンの作品ばかりのコンサートです。それで、何と言っても一曲目のケージの「4分33秒」。色んな意味で超有名なこの曲なんですが、ライヴで体験する事なんて無いと思ってたので、踊りたくなる程嬉しかったです。

今回の「4分33秒」は松平さんのヴァージョンで、ピアノじゃなくてMacでした。舞台中央に机があって、そこに客席側を向いてPowerBook G4が置いてあります。照明が落ちて(ステージも)、Macの画面だけが浮かぶ中、松平さんが横向きに座ってMacを操作してカウンターを出します。つまり「4分33秒」を示す数字が出てきて、それが一秒ごとにカウントダウンされていくという仕組みでした。時々画面を操作して、デスクトップを赤→青→黄色と変えていきます。勿論、曲は演奏されませんが(この表現は正しくないかも)、この曲は三楽章で構成されているために、それをデスクトップの色で示したという事でしょうね。何かをダブルクリックして色を変更してましたが、そのクリック音はマイクを通してP.Aから出されているようでした。

演奏が沈黙してる分、その他の音(客の咳払いなどのノイズとか)を聴かせるというこの曲を初めて体験してみての葛藤は、この作品に積極的に参加していっていいのだろうか? という疑問でした。つまり、今回はお客さんの数もそんなに多くないせいもあって、結構静かだったんですよね。だから、あえて咳払いをしてみたり、椅子を動かしたりして音を意図的に出してみたくなるんですよ。普通の曲だったら、できるだけノイズを出さない様に気をつける所なんですが、逆の事を考えてしまったのには面白かったです。誰か携帯を切り忘れてて、着メロなんか鳴ってしまったら面白い作品になってたかも? とか思ってしまいましたですね。

あと、一曲一曲の感想は書けそうもないのですが、三六〇度をパーカッションで囲まれて演奏される「ツィクルス」は圧巻だったし、同じ曲を続けて、しかも二回目は楽譜をひっくり返して演奏されたのが面白かったです。

「アリア」「ティアクライス」の松平さんの印象は、超歌唱法という感じがして、巻上公一さんを思い出しました。とても声の出し方を研究されている様で、中にはホーメイまで登場して面白かったです。KINCHOのCMで----「花の香り」だったと思いますが----女の人が二人、フランス語で話してるのがありましたが、あのCMがやたらと好きだった理由が分ったような気がしました(笑)。なんちゅう感想だ......(苦笑)。



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