パザ日誌


2004年9月14日 (火曜日)----すぎもとともひで

琵琶協奏曲

現実逃避の為に、先週末は図書館へ行きました。

ボクが日本の作曲家で好きな人は三木稔さん。といっても、CDも「鳳凰三連」っていう2枚組のCDしかもってませんし、マリンバ曲のスタンダードにもなってる名曲「マリンバ・スピリチュアル」が入ったCDを2枚持ってるだけなんです。だから、そんなに曲を聴き込んでる訳じゃないのですが、何故か惹かれるのは、ひょっとしたら「日本」もしくは「アジア」っていうもの----というか「音」ってしても良いかもしれませんが、多分そういうサウンド的なものだけじゃなくて、内面的なものも含めて----に対しての思いというようなものに引っかかるのかもしれません。これは、ボクが阿波踊りに対して持っている感情っていうようなものと同じ様で、でもちょっと違うものです。うーん、ちょっと分りにくいですが、例えばボクは下手なりにもドラムなんかを叩いたりしますが、じゃ、何故それは和太鼓じゃないんだろう? っていう思いです。

まぁ、それと三木氏が徳島出身っていうのと、あと、ボクが初めて現代音楽っていうものを生演奏で聴いたのが、中学生の頃に聴いたライプチヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラの三木作品だったという、そういうのも大いにあると思います。あのコンサートでは、会場に三木氏もいらっしゃっていて、最後にステージに上がられていたと記憶しておりますから、そういう親近感もあるのでしょう。

で、何が言いたいかと申しますとですね、図書館に入荷してたんですよ、三木稔「琵琶協奏曲」。このCDは結構色々なCDショップにも並んでいて、目にする機会が多くて、いつも欲しいなぁ、聴きたいなぁと思っていたのです。流石に醍醐図書館は凄いなぁ。なんという素晴らしさだ。とひたすらに感動するのでした。

で、最近ずっとリゲティばっかり聴いていたのですが、ここ数日はずっとこのCDを聴いてます。オーケストラとアジアの楽器っていうのは、何か馴染まないかんじがあったりするもんなんですよね。武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」っていう曲をアメリカで演奏する時のリハーサルで、尺八の演奏を聴いて、オケの人が笑ったっていう話を読んだ事がありますが、西洋音楽の1オクターブを無理矢理12等分した音楽とは、やっぱり違う部分っていうのがあるのでしょうかね。でも、この「琵琶協奏曲」を聴いても、ボクにはそういう違和感みたいなものはありませんでした。それから、いわゆる実験音楽的な現代音楽ではない部類の音楽なんでしょうけれど、これこそある意味、最も実験的な音楽なのかも知れない......と思わせられました。

そして、このアルバムは「琵琶協奏曲」だけじゃなくて、「平安音楽絵巻」と「東の弧」っていう小編成の結アンサンブルと琵琶で演奏する曲も入っていて、個人的にはこっちの方がお気に入りです。ボクは前はオーケストラものが大好きで、室内楽とかってどちらかっていうと嫌ってたくらいなのですが、最近は小編成の方が好きになってるのは、自分でも不思議です。

結アンサンブルには臼杵美智代さんがマリンバ・打楽器を演奏してらっしゃいますが、臼杵美智代さんといえばサヌカイト。2年くらい前に1度、臼杵さんの演奏を聴いた事がありますが、また聴いてみたいなぁ。今度は三木作品を。

そうそう、ナンカロウのCDが今日Amazonから発送されたそうです。しかも、後から注文したプレイヤー・ピアノの5枚組の方が(笑)。おいおい、そっちは1ヶ月くらいかかるんじゃなかったの? 予定狂うやん。今月もうジャリ銭生活なのに......(涙)。