パザ日誌


2005年6月15日 (水曜日)----すぎもとともひで

色のダイナミック・レンジ

夕方に京都駅にあるJR伊勢丹へ。ここの7階にある『美術館「えき」Kyoto』で6月8日から7月3日まで開催されている『ミヒャエル・ゾーヴァ展〜不思議な扉の向こうに〜』(JR京都伊勢丹催物情報参照)に行きました。土日は混むだろうし、練習とかいそがしいし、東京行きはあるしライヴもあるし......とかって絞っていくと、今日がベストだという事になった訳です。

とりあえず、ゆっくり見るためにも空腹を満たしておかないと! という事で、京都駅前地下街Portaにあるらーめん屋さん京熊五郎で味噌らーめんの餃子セットを注文。キムチ食い放題だし、餃子がアツアツだし、美味しかったです。とにかく餃子がアツアツ。火傷しそうなほどアツアツ。いや、何故この「アツアツ」にこだわって感動してるのかといいますとですね、先日某チャイニーズ・レストランの有名チェーン店に初めて足を踏み入れたのですよ。ずーっと行ってみたいと思っていた所だったのですが、たまたま車を運転中にお腹が空いて来て、タイミング良くそのお店があったから、これは行ってみないと! と思ってです。で、入ってビックリしたのは、ここはファミレスだったのか! という事でした。メニューを見ながら「そうか! ここはファミレスなんだ!」と、持った湯のみをばったと落とし、小膝抱えてニッコリ笑って思った気付いた訳です。

中国からの留学生と思われるアルバイトの女性の対応も良くて、マーボ豆腐のセットと餃子、それからマンゴージュースなんかを注文したのですが、1番にマンゴージュースが来まして、程なく料理も届いた訳です。で、マーボ豆腐が金属の器っぽいのに入っていたので、触ったら火傷するかな? っておもって恐る恐る触ってみたらまったく熱くない。それどころか、工業製品のマーボ豆腐や餃子もそんなに美味しくないのは別に良いのですが----よくないか(苦笑)----熱いのは初めの数分で、すぐに冷めたのでした。きっとここの厨房には中華鍋なんか無いんだろうなぁと感心してしまいました。資本主義社会の中華料理屋。この店であのアルバイトの女性は、どういう思いをして働いているのだろう? そしてこの経験を本国でどう活かすのだろうか? と凄く興味が湧きました。これは嫌みじゃなくて、この店は笑っちゃう程に感動しましたです。それに、マンゴージュースは美味しかったし。でももう行かない(笑)。

最後の1個までアツアツな餃子を食べ終わりまして、ミヒャエル・ゾーヴァ展へ着いたのは、まだ19時にはなっていなかったんじゃないかと思います。閉館は20時なので1時間以上居た訳ですけれど、ちょっとこれだけではちゃんと見きれないです。いや、ひと通り順番に見て、逆進行で戻りながら最初までいって、それからもう1度順路を辿ったんですが、それでも見足りなかったです。もっと見ていたい。そう思いました。はっきり言って入場料700円は安いです。

ミヒャエル・ゾーバの絵は、印刷されたものは見ていましたけれど、やっぱり原画は凄いですね。勿論これは誰でもそうなので、アンパンマンの原画も凄かったですし、手塚治虫の原画も凄かった。印刷物では抜け落ちてる所がちゃんと見えて来ます。小さい絵から大きな絵まで色々とあったのですが、大きな絵の迫力は特に凄かったです。ゾーヴァの絵は、ちょっと不思議でファンタジー的なのですが、でも写実的だっていうのがポイントだとおもいます。デフォルメされたマンガチックなファンタジーじゃないんですね。それから、光の使い方が凄く素敵ですね。深くて暗い緑の中に、スポットライトを当てたかの様な光が表現されてる絵が多い感じがしました。これは音楽で言うとダイナミックレンジが広いっていうんですかね。基本が深い色だったりすると、光が凄く浮き立つんですね。絵の事は不案内なので上手く表現出来ませんが、そういう所がグっときて、ずっと見入ってしまった作品が一杯ありました。やっぱり2、3時間は必要ですね。

映画『アメリ』の中でも登場した絵や、ブタさんの電機スタンドなんかもあるのでアメリファンも必見です! それに『ウォレスとグルミット』の最新長編映画にも携わっているらしくて、それで使用された絵なんかもありましたです。とりあえず、超おすすめっ!