パザ日誌


2006年6月18日 (日曜日)----すぎもとともひで

『ニャピョンガ』のポリリズム

pazapの『ニャピョンガ』という曲の間奏、ギターソローのバッキングでのポリリズムです。

まづは音源を聴いてみて下さい(この音源はメンバーに渡した打ち込みデモのドラム・パートを手直ししたものです。バグなのか、カウベルの音が歪んでるのですが、そのままにしてあります。ご了承ください)。2小節のカウントの後、全部で16小節。前半8小節が普通の演奏。後半8小節がポリリズム部分です。

『4と7のポリリズム』で、7のパートはドラムの両手(カウベルとリム・ショット)だけです。1小節のパターンを繰り返してるのですが、このポリリズム部分のドラム譜は次のようになっています。

『ピャピョンガ』ドラムポリリズムパート

両足は前の小節の流れで、同じパターンを踏んでますが、両手は2拍7連です。ドラムのみの音源も聴いてみて下さい。

ドラムのみで聴いた方が、両手と両足のパターンが干渉しあって、ちょっと訳が分らない感がありますね。この場合はドラムのみが7ですが、4と7を演奏する楽器を変えてみると、色々と面白いアレンジになると思います。例えば、今回のパターンに、上でギターが7のメロディを弾いたりするとか。

さて、7の部分に注目して聴いてみると、次の譜例の様な7/8のパターンに聴こえて来ると思います。

『ニャピョンガ』聴感上の7

この様に、ポリリズムというのは変拍子と解釈されたり(または誤解されたり)するのですが、実は考え方からすると、まったく違うものと考えられます。変拍子というのは、最小単位を積み上げて行って構築するもの。つまり2と3を足していってるのです。例えば5の場合は3と2、7は2+2+3とか。そして、ポリリズムは大きいリズムを割っていって構築するものです。1小節を5で割ったり7で割ったりするように。菊地成孔さんは、このあたりを変拍子はインドのターラの様に『積分的』リズム。ポリリズムはアフリカルーツの『微分的』なリズムという様な言い方をしておりまして、成る程なぁ! と目から鱗がバッサバッサと落ちまくりました。