パザ日誌

2001年09月02日(日)

くう

夜八時四十分、電話が鳴りました。出てみると「きんきまんだらの会」の主宰者の方からでした。

「きんきまんだらの会」というのは、ひろさちやさんという宗教評論家の先生から仏教の考え方を学び、生活の上で実践していこうという事を目的にした会で,京都市内にて二ヶ月に一回,講演会(歎異抄のセミナー)を開催してます。

電話の用件はといいますと、ひろ先生が九時からの「知ってるつもり」にゲスト出演するので見て下さいという事でした。「知ってるつもり」は仏教関係の人がテーマのときは、コメンテーターにひろ先生が出演することが多いのです。あわててテレビ欄をみると、テーマは「玄奘三蔵」とありました(三蔵法師のことですね)。おお、危ない危ない、見落としてた。教えていただいて、ありがとうございました。

番組の中にでてきた、「般若心経」の「色即是空、空即是色」で有名な「空」という考え方。非常に難解で、分りにくいそうなのですが、ひろ先生は色んな本の中でとても分かりやすく解説しています。「空」とは、つまり「この世の中に存在するものは、全て実体がない」ということらしいです。

ひろ先生はよく、「長い棒」の例えをだします。ここに一メートルの棒があるとします。この棒は「長い棒」ですか?「長い棒」だと思う人もいれば、「短い棒」だと思う人もいるでしょう。横に50センチの棒があれば「長い棒」ですし、2メートルの棒からすれば「短い棒」になるはずです。その「棒」自身に「長い」とか「短い」というものはなく、見る人との「縁」によって、長くもなるし短くもなります。今日の「知ってるつもり」のなかでは、「一千万円」の例えをしてました。ここに一千万円があるとします。このお金が「大金」か「はした金」かはそのお金を見たひとによって違います。僕が見たらまちがいなく「大金」ですが、億万長者からすれば「はした金」になるかもしれません。一千万円そのものに「大金」とか「はした金」とかはなく、私達のなかに「大金」「はした金」があるのです。さあ、考えてみてください。あなたのまわりに「嫌いな人」はいますか?

でも、仏教は「嫌いな人の事を好きになれ」という教えではないのですよ。あなたがどうしても「嫌いな人」は、あなたとの関係(縁)において嫌いになっているだけで、そのひと自身が「嫌いな人」ではないということを理解しなさいということだと思います。ひょっとしたらこの先、縁によってそのひとが「好きな人」になることだってあるかもしれないのです。そういう変わりやすいあやふやなモノにこだわらず、楽しく生きましょうよという事なのでしょうねぇ。

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