最近こういうパターンばかりなのですが、気が付いたら図書館で借りた本の返却日が昨日だったとか。で、読みかけの本「京都に原爆を投下せよ」を速攻で読んで返却をしに行ったのでした。
しかも他に借りてた本は、実は自分で買って持ってたなんていう間抜けな事もしてるのを発見。さらに、この前に中古で一〇〇円だったから喜んで買った本も、実は家に帰って見てみるとあったりと。はははは。ボケてます。こういう場合、新品で買った事を悔やんだら良いのか、一〇〇円で買った事を悔やんだら良いのか、悩んでしまいますね。
で、昨日も書いた「京都に原爆を投下せよ」ですが、この本はかなり面白いです。ボクが「実は京都は原爆を落とすターゲットになっていた」という事を知ったのは、何年か前に見たテレビの特番でした。その特番自体がこの「京都に原爆を投下せよ」を下地にしてるような感じに思ったのですが、その特番を見るまでは、ボクも例に漏れずに「京都は文化財が一杯あるので攻撃を免れた。」とずっと思っていたのでした。それは多分学校の先生にそういう話しを聞いたりしたんじゃないかと思いますが、そういうのを聞いて「アメリカっていう国は懐の広いくになんだなぁ」と、これこそ洗脳教育という感じの思いをずっと持っていた訳なのです。
でも実際はまったくの嘘。京都は原爆を落とす為に攻撃を止められていて、一時原爆投下の対象から外れた時には「京都大空襲」の危機もあったらしいのですが、それもアメリカ軍が沖縄戦を始めるタイミングと合った為に保留となったとの事。最終的には「戦後日本が反アメリカになって、ソ連に付くのを危惧したという政策上の理由」から、京都は原爆投下を免れたという事なんですね。「文化財の保護のため」なんていうのはまったく考えられてなかったのです。この本はその辺りの事をアメリカの公式の資料から明らかにしていて、ウォーナー氏本人も否定していたにも関わらず「ウォーナー伝説」と呼ばれる伝説が広がった事に関しても詳しく書かれています。結局ウォーナー氏の作成したリストは文化財保護の為に作成されたリストではなくて、戦時中に略奪された時の回復の為に作成されたとの事。そして日本とは逆に中国ではウォーナー氏は、壁画を持ち出した「悪者」になってるようです。
今回のイラクの時の日本の対応にしてもそうですが、国益や政策の為には人道的な事も後回しや「見て見ぬ振り」をされるという、典型的なパターンなのでしょう。この本はとても読み易いので、いまだに「ウォーナー伝説」を信じている人たちには、是非読んで欲しい本です。