京響のスプリングコンサートへ行って来ました。
今回のコンサートは独奏のお二人がジャズ界からで、化学反応が楽しみなコンサート。アナウンスは無かった(はず)なのですが、ちゃんと指揮者の広上氏のプレ・トークもあって、その辺りを料理に例えて『同じ料理でも日本料理と中華料理くらい違う』という事でしたが、やっぱりそこが聴き所で、面白いコンサートでした。
個人的には1曲目の『アランフェス協奏曲』—-ギル・エヴァンスの編曲で、マイルス・デイヴィスのアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』の1曲目に収録されている—-が興味津々だったのですが、何か聴いていて無性に眠くなって、睡魔と闘うのに必死でした(苦笑)。このままチック・コリアの『スペイン』へ行ってくれ! とどれだけ思った事か……(笑)。
逆に次のモーツアルト。これが眠くなると踏んでいたのですが、逆にとても面白くて聴き入ってしまいました。盛り上がりの面ではがぜん最後の『ラプソディ・イン・ブルー』だったのですが、あれはもともとジャズ寄りな曲なので、あれくらい(どれくらい?)やってくれると予想は出来たのです。でも、モーツアルトはモーツアルト。このモーツアルトという枠の中で、どれくらい異種格闘が繰り広げられるかっていうのが聴き所であった訳です。勿論カデンツァという事になるのですが、これがモーツアルトの時代では考えられないリズムで演奏され、しかもそれがモーツアルトと絶妙にせめぎあうマーブル感。これがたまりません。
後半『ラプソディ・イン・ブルー』では小曽根節全開でバンジョーとの絡みも有り、アンコールもありで、いつもの京響定期よりも時間も長く、それで全席1,500円で、しかもドリンク付きなのですからかなりお得! 裾野を広げる意味でも、これは是非続けて欲しいものだと思います。
お笑いでは爆笑問題が好きだという広上氏はアンコール前にもトークが入り、きっちりと京響をP.R。定期公演月2回を目指し、かつ満員御礼を公約を掲げているのですから、至極真っ当な態度だと思いました。