パザ日誌


2003年2月23日 (日曜日)----すぎもとともひで

そしてpazapライヴ

悪循環とは分かっていても、やっぱり今日も昼間に個人練習二時間。そしてそのまま生野さん所のガレージへ集合して車一台でネガポジへ。
ネガポジはこっち!

調子の悪さは相変わらずで、何かが起こる予感というのを感じていたりしました。ヤバイ。そういえば、いつもいつも喧嘩している声が聞こえてくるとある家があるのですが、最近その家の前をとおりかかった時に初めて「笑い声」が聞こえて来てびっくらこいたのですが、やっぱりあれはなにか悪い事が起こる前触れだったのですね(笑)。

正直言って今日のボクの出来はよくなかったです。この所ずっと感じていた調子の悪さがやっぱりモロに出てしまいました。それにリハでも本番でも、確かにドラム以外の所で考えなければいけない事が多すぎるのかもしれません。打ち込みの音の出方やなにやら、スタジオとライヴ、それもライヴ会場によっても聞こえ方が変わってくるというものですから、こういう形式でのライヴ経験の少なさがやっぱり災いしてるのやも知れませぬ。

ただボクが一番恐れている事は、かつてのボクがそうであったように、こういう打ち込みが絡むものに対しての偏見というものがあると言う事。かつてボクはコンピュータとか打ち込みとかにとても偏見を持っていて、絶対に手を付けたくないと思っていた頃がありまして。これはもともとのボクの音楽の原点みたいなものがオーケストラだったり、クラシック・ギターだったりしたものだから、そういう空気感とかにこだわりがあったのかも知れません。そしてそんなものの反対にあると考えられるような「機械的なもの」に対する嫌悪感がずーっとあった訳です。

それが高校の頃にハードロックバンドに先輩から誘われるまでは続いた訳ですが、そこでエレキギターの魅力みたいなものを知って、生楽器じゃなくても良いものだというのを知った訳ですが、それでもボクはコンピュータとかじゃなくても、バンドにキーボードを入れるのも嫌がってたんです、ずーっと。ドラムに転向してからはそれもなくなって、多分それはドラムに変わったからというんじゃなくて、曲作りの為に打ち込みを始めたのがきっかけだったんだと思うんですね。ボクはYamahaのQY10っていうのから打ち込みを初めてQY20→QY700って徐々に上げていったんですが、それでもそれは作曲の道具として優れていたからで、それを実際にバンドで使おうと言う気はなかったんです。pazapを結成しようとメンバー探しをしてた頃もそうでした。ボクは基本的に生指向ですから。でもキーボーディスト探しには苦戦しまして、電話の1本も無い訳です。初代ベーシストと生野さんが揃って基本的な部分は出来てもキーボードがいない。結局楽曲の再現性の問題(どうしてもマリンバの音が欲しい時に、本物のマリンバ奏者をメンバーに入れる事なんてとても現実的ではないとか)とキーボーディストが見つからないという理由で、しょうがなくQY700をメンバーに迎えたのでした。それは今、ベーシストが見つからなくてその間も活動をしたいから、暫定的に打ち込みベースで活動してるのと同じ感覚だったのです。

今打ち込みやコンピュータを使う音楽を否定するなら、どれだけの音楽を否定しないといけないのでしょうね? 完全な生演奏がすべて良い音楽と感じる訳じゃない様に、コンピュータを使った音楽も全て悪い訳じゃないと思います。ボクがpazapの中でポリシーとする「相反するもののバランス」というもののなかに「生演奏と打ち込みのバランス」というのがありますが、その危ういタイトロープの上で絶妙にバランスが取れるポイントという物が、pazapの中では確かにまだ確立してる訳ではなくて、まだそのポイントを探しあぐねている状態だと思うんです。でもそういうのを主張していく上では「だから打ち込みは駄目なんだよね」と言われないようにしないといけない責任みたいなものもあるような気もするんです。いや、無理にそんな責任背負う必要もないと思うのですが、それでもpazapのライヴを見てそんな事を感じてしまったのなら、素晴らしい電子音楽をやってらっしゃる方々に申し訳ないような気もするのです。

結局今回のライヴで浮かび上がって来た課題みたいなものは、打ち込みの問題以外にもあって、全てそればボクが思っている「バランスのポリシー」につながっている事です。例えば、ボクが歌ものでfragileみたいな考え方でやりたい、それで成立させたいというような実験みたいなもの。そういう事についてもまだ試行錯誤しなくてはいけませんし、ボクのドラムのテクニックやボキャブラリーでは到底そんな事出来ないのかもしれませんが、それでもいつかはたどり着きたい所ではあります。そういう事でして、これからも至らぬ所だらけですが、叱咤激励したり適当に持ち上げたり(笑)しながら、御贔屓にしていただけたらメンバー一同嬉しいと思いますので、よろしくお願いいたします!!!!!