QY700(愛称:Qちゃん)を手放しました。
毎日毎日「QY700」というキーワードの検索で、このサイトに来てくれる人がいるので、そういうQY700に興味を持っている人に「QY700は使えないものなのか?」と思われると困るのですが、QY700はある意味完成された単体シーケンサーです。だから、パソコンもソフトも短いスパンで日々新機種だのアップデートだのしてる時に、このQY700はもう8年以上もQYシリーズの最高機種として販売し続けられて来ました。個人的には音源部はもうちょっとヴァージョンアップして欲しかったなぁと思いますが、それがなかったお陰で、7、8年も使ってるこの機種が、他のものとは考えられない値段で買ってもらえたのかも知れません。
ボクがバンドでオリジナル曲を作りはじめた頃、メロディとコードを譜面に書いて、それをもとにスタジオで「あーでもない、こーでもない」とアレンジをしたりするのが余りにも効率が悪かったので、初めて購入したのが当時発売したてのQY10。これである程度アレンジも出来てる状態でテープに録音してメンバーに渡して、スタジオに入る時にはアレンジが大枠でアレンジが出来ているという方法にして、それは今でも続いています。だたQY10があまりにも使いにくいもので、QY20という後続機が出た時にQY10は当時のベーシスト氏に売却して、QY20を使いはじめました。QY20はQY10に比べれば大幅に作業がしやすくなりましたが、この頃からギターからドラムに転向し、曲が変拍子を多用するようになると、QY20は使い物にならなくなってきました。でも今、その当時に作った音なんかを聞き直すと、QY20でよくぞここまで作ったなぁ......とか思うほどなんですが、でもその作業は非効率的で大変でしたねぇ。
そのQY20とカセットテープの4chのMTRで作ったpazapのデモで、メンバーを募集してpazapを始動。でもキーボーディストが見つからず、どうしようかと思っている所にQY700が登場したのでした。これならば曲づくりもライヴでも使えるという事で、作曲ツール兼pazapメンバーとして去年までボクの相棒だったのでありました。初めの頃はなかなか慣れずに大変でしたけど、このQYが無ければpazapとしての楽曲の再現は不可能でした。しかも使いやすくて多機能で、スタジオでもライヴでも安定していて、ほんとうに感謝感謝でありました。去年の十一月のライヴで引退して、隠居生活をしていたものの、ずっと閉まっておくのもかわいそうなので、それよりは誰かに使ってほしいっていうのもあって、今回手放す事にしたのでした。
機械とはいえ、なかなかこういう思い入れが強いものを手放すのは辛いものです。最後にきれいに掃除をしてあげて、自分の手を離れてからは、なんとも言えない心に穴があいたような感傷に浸ったりしておりました。新しいオーナーさんが大事に使ってくれますようにと祈りながら。Qちゃん、今までありがとう! そして、元気でねー!!