パザ日誌


2006年3月 9日 (木曜日)----すぎもとともひで

謎の打楽器奏者

いやぁ、現代寄りの曲はあなどれないね。

今夜は京都市交響楽団の今年度最後の定期演奏会に行ってきました。会場は勿論、京都コンサートホール。ちょっと早めに地下鉄北山駅についたので、京都コンサートホール前のBocoというお店でBocoランチを頂きました。ご飯とオムレツにデミグラス・ソースがたっぷりとかかってるプレートです。簡単に言うと、ハヤシライスにオムレツが乗った感じでしょうか。美味しく頂きました。若い男子には量的にものたりないかもしれませんが、女子にはぴったりかも。数年前までならこれではお腹いっぱいにはならなかったでしょうが、最近ならちょうど腹八分目でいい感じです。食べ終わったら18時20分だったので、会場へ急ぎました。

京響創立50周年記念という事で、最近のコンサートは開演40分前から、ロビー『ホワイエ』にてロビー・コンサートを行っています。今日はJ.C.バッハのオーボエがメインの曲でした。

コンサートは19時から。指揮は常任指揮者の大友直人氏。プログラムは次のとおり。

  1. エルガー:序曲「コケイン(ロンドン・タウンで)」Op.40
  2. ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
  3. ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第6番ホ短調

ラヴェルのピアノ・コンチェルトはピアノ独奏にトルコ出身のフセイン・セルメット氏。この曲は初めて生で聴きましたが、やっぱり素晴らしい曲ですね。ちょっとラヴェルにハマりそうな感じがします。ガーシュインに影響されたという第1楽章のフレーズもジャズっぽくて良いのですが、いままで聴いててちょっと退屈だなぁ......と思っていた第2楽章が、これほど素晴らしく美しいとは思いませんでした。ゴジラが出て来る(笑)第3楽章も生で聴くと格別!

そしてなんと、この曲が終わってから、何度かステージに呼び出されたセツメット氏は、思いがけずアンコールを演奏! 曲はラヴェルの『悲しい鳥たち』。これが素晴らしかった! しかし、後半の静かなクライマックス。しかもそれが頂点にかかった瞬間に、本日の特別ゲストが登場。客席にて待機してたそのゲストのおっさんは、現代的で複雑な倍音を含んだ音響でヴォイスを披露。聴衆がうっとりとピアノに聞き惚れてる所を、みごとに打ち砕くという演出にはまいりました。

さて、第2の特別ゲストは、20分の休憩の後に登場いたしました。ヴォーン・ウィリアムズのシンフォニーの時です。P席にてスタンバイしていた謎の老人は、実はパーカッション奏者でした。わたしも見た事が無い謎の細長い楽器を取り出すと、まさか! という演奏方法で爆音を出したのです。なかなか例えようが無いんですが、強いて言うならば、勾配が急な階段から杖をガラガラガラガラと転がした様な感じでしょうか。この老人の演奏の強烈さは、この曲の印象を全てこのパフォーマンスで消してしまえるくらいでした。きっと楽譜には今日の通りに、事細かく指示がかかれているのでしょう。あなどれないね、まったく。

来月の京響定期演奏会は4月22日(土曜日)。すでにチケットは購入済みです。R.シュトラウスの『英雄の生涯』なんていう、大好きな曲が生で聴けるのです。これは本当に楽しみです。だから、今度は特別ゲストはいりませんからね。