今回の帰省では、今日が唯一のゆっくりできる日なのです。それでも午前中はお盆の準備でちょいとバタバタと。正午を過ぎて慌てて車に乗り込み、昼ご飯も食べずに鷲敷へ向かいました。エキサイティング・サマー・イン・ワジキを見るためです。というか、Bennie Kとアンジェラ・アキを見るためってのが本当の所。
でも、流石に腹も減ってきたので、日和佐の道の駅でお寿司を買って、走りながら食べる事に。
郡内で唯一、平成の大合併に取り残されて、町名が変わってないわが町から、エキサマが行われている大塚製薬の工場がある鷲敷町----ここも合併で町名じゃなくかったのかな?----へのルートは大まかに2つ。1つはそのまま国道55号線を阿南市方向に向かって、桑野から195号線へ入る方法。もうひとつは日和佐----本当は合併して美波町----の海賊船を過ぎた所から赤松へ入り、相生町----これも旧の町名ですね。今は那賀町ですか。名前が変わっててややこしい。だれも新しい名前で呼んでないのに----へ抜けて195号線を桑野方向へ向かうルート。
どう考えても、ほとんどの人が前の方法で会場に向かうと思うので、赤松経由で行こうと計画してたのですが、すでにライヴがスタートしてしまってる時間ですし、どっちからでも同じだったのですが、久しぶりだったので赤松経由で行く事にしました。しかし、ボクが高校時代に比べたら本当に道が奇麗になって走りやすくなっててビックリしました。高校2年の夏休み。赤松の体育館でバンド合宿をした時の事を思い出してしまいました。夜中に道路の真ん中で大の字になって寝たり、体育館に向かう途中でムササビが飛んでるのを見たり、川で泳いだり、先輩達----メンバーのほとんどが1こ上の先輩でしたので----が麻雀してるのを見てたり......あぁ、あれは夢だったのではないでしょうか! 今と成ってはそうとしか思えない思い出です。
奇麗な清流を見ながら会場に着く頃には、時間も午後1時を過ぎ、雲行きが悪くなり、雨が降り出してきた所でした。駐車場が会場から遠く。びしょぬれになりながら歩いて、会場に着いた頃にはお目当てのひとつだったBennie Kがちょうど終わった頃(涙)。あとはアンジェラ・アキまで興味なかったので、雨宿り代わりに工場見学へ向かいました。大塚製薬の鷲敷工場はカロリーメイトのブロックを造っているというイメージだったのですが、今回はSoy Joyの製造工程や梱包行程が見られるというので、実はライヴよりこっちの方がメインで来たようなものです。
工場に近づくとどこからともなく良いにおいがしてきます。ここの工場は公園工場という珍しい所で、誰でも敷地内に自由に入れます。物々しく守衛小屋があって、入門証のチェックとかがあるような所じゃないのが面白いのです。でも、流石に普段工場内に入るにはセキュリティが必要だという事で、入り口には生体認証による個人認証を行う機械が設置されておりました。工場見学時は自由に出入りできましたが。
見学出来るのは、研究室みたいな部屋や、成形されたSoy Joyが並んでオーブンへ入って行く所から、袋詰めされる所。そして、X線によるチェック----これは異物チェックなのでしょうか?----を経て、箱詰めされる所でした。いや、面白い。おまけに焼きたてのSoy Joyも各味が試食出来たりして、なかなか楽しい工場見学でありました。
工場見学から出てきたら、ちょうど雨もやんだので会場内へ。無料ライヴにもかかわらず、入場時にカロリーメイトとSoy Joyを貰いました。太っ腹! 雨が上がったらまた真夏の暑さが戻ってきて、ポカリスエットを飲みながら、芝生に座って名前も知らないバンドの演奏を聴く。会場が山の中なので、天然のディレイが凄く、これはP.Aさん泣かせだなぁと思いました。ステージにどんな音が返ってるのか分かりませんが、あのやまびこ天然ディレイが聞こえてるなら、相当やりにくいんじゃないかなぁと思ってしまいました。
そんなことを考えていると、次はアンジェラ・アキ。遠くから、しかも座ってたので男前な姿は見えませんでしたが、ピアノ弾き語りの歌だけでは、あの天然ディレイもほとんど気にならず、いい音で聴く事が出来たのは良かった。曲も、そして歌も良かったけれど、バリバリの徳島弁でのM.Cも素敵で、ラストの『Home』前のM.Cでは、交通事故で亡くなってしまったおばあちゃんのエピソードで、なかなか心をじんわりとさせてくれました。小さい頃、大好きなおばあちゃんのところへ泊まりに行ったときに、ふいにおばあちゃんが死んでしまうんじゃないかっていう思いが湧いてきて、泣いていると、蝶の好きだったおばあちゃんが「もし、死んでしまっても、蝶に成っていつも見守ってあげる」という約束をしてくれたのだとか。今日飛行機で徳島へ来てから蝶がいないなぁ......と思っていたら、ステージに向かう途中に見かけて、あぁ、おばあちゃんが居るなぁと思ったというM.Cから『Home』。1コーラス目の途中から、感極まった感じで声を詰まらせてしまったアンジェラの歌声に、思わず目頭が熱くなってしまいました。
と、その直後。目の前を大きな黒いアゲハチョウがすっと横切ったのは、きっとアンジェラのおばあちゃんだったのでしょう。