結局昨日入院した我が愛車「ズゼゾー」(猫で言うと老猫。もう八十八歳くらい。まだまだ成長中)は、連絡が有って明日には帰ってくる模様です。
結局はヒューズが切れていたようで(ボクが見落としてたヒューズがあったようです・涙)、そのヒューズがキャブを制御するソレノイド・ヴァルヴとも関係があった事から、エンジンの調子も悪くなってたらしいです。でもヒューズを交換したら良いだけでもなくて、根本的な原因はエアコンのコンプレッサーのクラッチらしいのです。やっぱり。
それで、二つの選択肢を与えられました。一つはエアコンのコンプレッサー交換。これはリンク品(新品ではなくて、オーバーホールしたもの)に交換するにしても五万円コース。エアコンも効く様になります。二つ目はヒューズ交換のみ。症状的にはエアコンをオンにして十五分後くらいにヒューズが切れるのだそうです。だからこれを選択するとエアコンは十五分しか効かない(つまりヒューズが切れる)。もしヒューズが切れたとしても、交換すれば十五分はエアコンが効くそうです(笑)。
これからの季節を考えると、あの車に五万円使うより(涙)、来年の夏までこのまま乗って、次の車を買う時の軍資金にした方が良いというアドヴァイスも納得する所だったので、そうする事にしました。ちょっと悲しいけれど、最後の五分間までもうちょっと大事に乗ってあげよう。
「娘に語る祖国『満州駅伝』——従軍慰安婦編」(つかこうへい/光文社/ISBN4-334-05239-8)を読了。高校の授業中には、どれだけつか作品を読んだでしょうねぇ(もちろん、こっそりと・笑)。かなり影響を受けてます。前作は大分前に買って読んだんですけど、続編が出てたんですね。一見(一読?)どこからどこまでが実話で、どこが創作なのか分からないという構成は、「腹黒日記」を思い起こす様でつか流ですね。結局この作品で展開されるストーリーの、何が実話だとか、何が創作だとか、そういう事はどうでもいい事です。
ストーリーは、終戦直前の満州で、兵隊と慰安婦が駅伝大会で競い合うというものです。その駅伝の途中で、恋いに落ちた二人が脱走をするものの……、という悲しくも美しいお話。そういうフィクションだかなんだか、そんなものは関係ないストーリーの中に、祖国に対する思いや、戦争、そして慰安婦問題、更に現代日本の姿までもを盛り込んだ、時代と正面から戦った、まっとうな大人の童話の様に思いました。面白かった。
どんな悲惨なこと、不幸なことを取り上げても、最後をハッピーエンドにする力のことを作家の才能というのです。
文中で語られるこういう言葉は、きっとつかさんの本音なのでしょう。「ハッピーエンドにする」という事も、陳腐なハッピーエンドとはまるで違った、もっと悲しくて苦しくて、そして温かいものです。本当に久しぶりに、つか作品の根底に流れるこの「温かさ」に包まれて、とても心地よい夜でした。