パザ日誌

2003年12月06日(土)

ハルディン・ホテル

すっかり「有頂天の」とか「ナゴムの」とかいう冠も必要なくなった、ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の劇団
ナイロン100℃の「ハルディン・ホテル」という芝居を見るために、もうすぐ無くなってしまうという近鉄小劇場へ。今回の大阪は四公演あって、今日だけが昼夜公演の模様で、その夜公演——俗にいうソワレ——の方へ行きました。

上本町へ行く前に、腹ごしらえに戎橋の南側すぐの所に出来た大戸屋で腹ごしらえ。ボクは結構大戸屋好きなのですが、本拠地の関東の人の大戸屋に対するイメージとか位置づけっていうのはどういうものなのか? っていうのが計りかねて困ります。いや、困りません。そんな困った様な、全然困らない様な疑問を持ちながら「まぐろの温玉とろろ丼」を頂きまして、おいしゅうございました。腹一杯になった所で、「素敵なダーリン」(読売テレビ)という番組のロケバスから降りて来た、トミーズ雅とこえぴょん(桂小枝)の脇を抜けて、小雨の降る中を散歩がてらに近鉄小劇場まで。

ちょうど開場の数分前に劇場に到着したのですが、中のトイレが混雑してるかもしれないので、先に隣りの近鉄百貨店のトイレにいきました。入り口の受付で、リポビタンDで酔っぱらってる、ファイト一発なおじさんが、受付嬢二人に夏目雅子について熱弁をふるってるのがとっても面白かったです。

そんな和んだ気分で開場した近鉄小劇場へ。実は今回が最初で最後の入場になるんですね。初めてなので思い出とか思い入れとかも無いんですが、何故か感慨深いのが不思議でした。今までいくつもの観に来たい芝居があったのですが、なかなかその機会が無かったのです。近鉄電車の広告を見ながら、「あぁ観に行きたいなぁ……」と思う事もなくなるのだなぁ……という感じと、やっと来る事が出来たという感じが入り交じったものというのでしょうか。

これから観るっていう人はネタバレの可能性もあるので、以降は読まないでください。華々しくオープンした「ホテル・ハルディン」が、オープンの日に宿泊したお客さんに、十年後の同じ日の宿泊チケットをプレゼントして、そのお客さんが再会するというのが大筋のストーリーです。十年前と今のシーンが交差される様に展開されるのが面白かったです。チーフが若いスタップに語る回想シーンが、その場で展開される訳ですが、そのチーフ自身が両方に存在しないといけないシチュエーションがあって、その処理のしかたが最高でしたです。使われる音楽といい、舞台美術といい、ストーリーとか笑いとか、ケラ・ワールドが確立されてるなぁというのが一番の印象でした。観葉植物が「防人の詩」を歌うっていうのにも笑えましたが、全体的に客のウケは良かった印象ですね。舞台の台詞が聞こえないくらい笑いをとってる場面が何度かありました。そうそう、置いてあるサインがドラマーばかりって——しかも偽造——いうのもウケました。全国ドラマー連盟(?)って……(笑)。休憩を挟んで三時間を超える芝居だったのですが、長いと感じさせないくらい楽しい芝居でした。

午後六時半の開演で、終わったのが十時前。今日はその後、京都みなみ会館でのオールナイトの三本立ての映画を観に行くのでした。これが十時四十五分開場の十一時十五分開演なので、もうかなり間に合わない時間です。ちょっと急いで谷九まで歩いて谷町線で東梅田へ。JRの新快速が一番早いのでJR大阪駅まで行ったのですが、疲れてて鈍行でゆっくり行こうという事に何故かなってしまって、それなら天満橋から京阪に乗って丹波橋で近鉄に乗り換えて「東寺」まで行った方がよかったじゃないか……とか思いながら、急がないといけないのに、ゆっくりと京都へ向かいましたとさ。つづく……。

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