相変わらず、毎日毎日「ポリリズム」というキーワードで、このサイトに来る方が多く、それに加えて、ポリリズムの説明へのリンクとして、このサイトへリンクして頂くケースもありますから、久しぶりにポリリズムの事を書きます。
まず、ちょっと前にサイト上で公開したpazapの「ボク」という曲から、間奏のギター・フレーズを聴いて頂きましょう。ギターの音のみ—-打ち込みのギターです—-なのですが、これを聴いて、この曲が何拍子かを感じてください。
ひょっとしたら、上の譜例の様に、3拍子だと思われた方が多いのかもしれません。或は、下の譜例の様に4拍子と感じた方もいらっしゃる筈です。
これ、実はどちらにも聴こえるんですね。でも4に聴こえた人は3で感じられない—-或はその逆も—-かも知れませんので、実際にリズム隊が3、若しくは4で演奏してる音も実際に聴いて頂きましょう。
どうでしょうか? これは1小節を共有—-1小節を3等分してるか4等分してるかの違い—-して、テンポが違うだけなのです。3拍子の16分音符1個の長さを4拍子では1拍の3連符1個分にしたものです。つまり小節だけじゃなくて、音符の長さも共有してる訳です。ただ、グルーピングを3でとるか4でとるかだけの違いで、そのグループ毎—-1拍—-の長さが違うので、テンポが違って来るという事ですね。だから、同じ演奏を聴いてるのに、3と感じる人と4と感じる人が分かれるという、コスモス・ポリリズムなのです。
で、ポリリズムにする訳ですから、この3と4を同時に演奏してしまえばいい訳です。ボクのギターソロのバッキング部分から聴いてもらいましょう。
この曲はドラム・キットが2セット演奏してるのですが、前半4小節は4拍子の中でピアノのみが3拍子を裏で演奏してます。このピアノだけでポリリズムになってしまうのですね。ギター・フレーズは共通なので、このピアノに注目すると3と4の両方を行き来する事が出来ると思います。そして、後半4小節は逆になって、リズム隊が3拍子—-ドラム・キットが2セットなので、これは3と4をそれぞれ演奏してます—-の上を、ピアノは4拍子で演奏してます。
ここで、前半と後半でテンポが変わったと感じる事が出来ますが、これをテンポ・チェンジとして利用するやりかたを「メトリック・モジュレーション」と言います。
どうだったでしょう? こういう具体的な例がネット上にあんまり無いように思いますので、何かの役に立てばと思いますです。でわ、レッツ! ポリリズム(笑)。