もし『保守派ジャズファン』てのが居たとして、それはどこまでなら許せるのか? っていうのを考えながら、タワレコまで向いました。
アコースティック・ジャズ以外はダメだとか、いくらアコースティックでもフリー・ジャズはダメだとか。4ビートじゃないとダメだとか。ウェザー・リポートは許すとか、でもマハビシュヌ・オーケストラはダメだとか。そういうようなパターンを色々と考えながら歩いてた訳です。で、一般的にいうジャズ・ファンにとって『デートコース・ペンタゴン・ロイヤルガーデン』はどう評価されるのか? 『渋さ知らズ』はどうなのか? 『Rovo』は? 『東京ザヴィヌルバッハ』は? そして、この"Radio-Acoustique"は? と、色々妄想しながら河原町Opaを9階へ。
天下のタワレコなら、このアルバムが売り切れてる訳がない(そこそこの数は確保してある)と思って安心してましたが、流石タワレコですな、ずらりと6面だし(そんな業界用語があるのかどうか知りませんが……。あ、8面出しだったかな?)。これを見ると、さっきまで『保守派ジャズファン』がどーのこーの……とかって考えてた事が馬鹿らしくなって来たので、さっさと坪口昌恭トリオの"Radio-Acoustique"を購入して、タワレコを後にしました。そんな事は無いと思いますが、万が一、このアルバムがジャズ界から無視されたとしても、そんなジャズ界なんか糞くらえだ! それだけの事です。ちなみにこのアルバム、京都のタワレコでは勿論ジャズ・コーナーにありました。
帰宅後、"Radio-Acoustique"をひととおり聴いた後、NHKではポップ・ジャム・デラックスなんていうのが始まりまして見ておりました。23時過ぎに『菊地成孔クインテット・ライヴダブ』が登場。渋谷アップルストアでのライヴから1曲オンエアされました。ステージ上の4人のうち、菊地さん以外の3人は、そのまんま坪口昌恭トリオなのですよね。"Radio-Acoustique"を聴いた後だったので、それもNHKの地上波、しかも『ポップジャム』で『菊地成孔クインテット・ライヴダブ』が見られるなんて、さすがNHKは凄いなと感激でした。
で、NHKを見た後にまた"Radio-Acoustique"を聴いてるのですが、これ、やっぱり凄すぎです。『菊地成孔クインテット・ライヴダブ』っていうのも、クアルテットのアコースッティク・ジャズをリアルタイムでダブ処理するっていうコンセプトだけをとってみても素晴らしいのですが、このピアノ・トリオをミックスするっていうコンセプトも凄い。しかも、どのミックスも秀逸。アコースティックな音楽と(編集を含む)電子音楽の共存関係が絶品。しかし、坪口さんはホント凄いなぁ。デートコースでのプレイも楽しみです!