パザ日誌


2002年3月 4日 (月曜日)----すぎもとともひで

欲しかったCDと衝動買いしたCD

昨日の帰りに プラッツ近鉄の五階にある 新星堂へ寄った。 何年か前から欲しいと思っていたCDを探すため......というのは口実で、トイレに行きたかっただけだった。 ついでに(失礼!)覗いてみると、あるではないか!実はぜったいに置いてないと思っていたのだ。(ホントに失礼!) 昨日買ったCD それは写真左のCD、 三木稔さんの 鳳凰三連/三木稔選集IV、いわゆるクラシックの現代音楽である。 #新星堂さんクラシックコーナー充実してました。素晴らしい!現代音楽のコーナーもけっこう揃ってました。 数々の御無礼お許し下され! 序の曲、破の曲、急の曲の三曲からなる「鳳凰三連」は、西洋のオーケストラと邦楽器とのコラボレーション による曲で、特に急の曲はクルト・マズア指揮のライプツィヒ・ゲバントハウス管弦楽団と日本音楽集団によるドイツでの世界初演の時の演奏である。

実はボクはこの曲には思い出がある。田舎の中学校に通う音楽好きの少年だったボクは、ベートーベンとかチャイコフスキーとかを好んで毎日のように聴いていた。ある時近くの町に(っていっても汽車で1時間ちょっとかかる。電車ないのよ、ディーゼルなのよ、ごめーんねっ田舎で)本場ドイツのオーケストラがやってくるらしい、しかも演目はチャイコフスキーの「悲愴」。当時「悲愴」に惚れ込んでいたボクは、それを本場ドイツのオーケストラで聴けると聞いてチケットを取った。田舎といえども本場のオーケストラ、チケットは結構高かった。ボクはあまり良くないとされる一番安い席に座ってそのコンサートを聞いた。本場ドイツのオーケストラの「悲愴」は感動的だった。だけど、よく分からない曲があった。そう、それがこの急の曲だったのだ!

メンバーも勿論このCDのメンバーだった筈。多分こんな田舎でこんな凄いオーケストラを聴けたのは三木稔さんが徳島出身だったからなのだろう。今から思えば非常に貴重な体験をしたのだが、当時ベートーベンなんかのコテコテものが好きなヤツが、ストラヴィンスキーやバルトークをすっ飛ばして、現代音楽である。コレハナニ? という状態であった。

歳を重ねるとヒトも多少は成長するものである。今は逆に現代音楽が好きになってしまったボクとしては、もう一度あの曲を聴いてみたいとずっと心に思いながら、なかなか果たせずにいた。そして二十年ぶりに聴いたこの曲は、最高に素晴らしい曲であった(個人的には武満徹さんの「ノヴェンバー・ステップス」より好き)。そして同時に「日本人としての音楽」という、これまた前にNHKに出演されていた三木稔さんを見た時に、心にずっしりとのしかかって来たテーマが蘇ってくるのであった。生まれてから接する音楽はほとんどが洋楽(西洋の音楽という意味)。それでいいのか! と突き付けられてる感じがするのである。素人であっても音楽で表現をしようとするものにとっては、考えさせられる問題である。しばらく三木稔さんの作品を聴いて、考えようっと。

それにしてもこのCD、二枚組で3000円ととってもリーズナブルなのだ。そのせいか近くにあったペーター・ザードロ&フレンズの "Drum Together"というアルバムも一緒に衝動買いしてしまった。

何も分からず帯だけで衝動買いしたのだが、これが大正解。一応カテゴリーは「現代音楽」なのだが、ジャンル分けなどまったく無意味。一曲目の7拍子のドラムセット入りの曲から、ジョン・ケージ、クセナキスなどの現代曲。そして、ここにも三木稔さん( ルネサンス・バンガードもやってた、マリンバ・スピリチュアル)。最後のサンバはスチール棚やバケツ、ショッピング・カートやチェーンなど、普通は楽器じゃないと思われているものまで叩きまくってます。 全曲打楽器だけの作品ばかりで、素晴らしい演奏であります。 良い音楽に出会えるのは、ホント得した気分。

ところで今J-POPって何やってるの?


ちょいと追加しました

3月2日に書いた「実録ヤフーオークション事件顛末記は番外編へ」は進展があったようなので追記を行いました。新たに出る記事を読んだら、読売新聞さんにメールを出そうかと思います。クレーム言うだけが意見じゃないですからね。