朝起きた時には天気で、最近は天気予報もあてに成らないなぁ......などと思っていたら、いつの間にか暗くなって来て、やっぱり雨。雷も鳴り出して、一瞬だけの停電が数回あったりもしました。さすがpazap。雨バンド健在! という事で本日は今年6回目のライヴ。それでも昼には雨はあがり、出かける頃には晴れ間も出て来ました。
お、これはいい感じだなぁ......と思ったのもつかの間。悪夢の様な......いや、まさに悪夢のライヴの前の静けさだったのでした。
制作には主にLogic、pazapの演奏用にはableton Liveを使用しておりますが、演奏に使用するデータは外付けハードディスクに入っております。いつもは製作用のハードディスクとライヴ用のハードディスクを分けているのですが、今回は準備の関係で前日のスタジオでの最終練習までにデータを移す事が出来てなかったので、昨日スタジオで使ったままの製作用のハードディスクを持っていきました。データにはまったく手をつけず、今日は朝からそのデータを内蔵ハードディスクやらUSBメモリやらにバックアップを取って、万一の事故にも備えました。
そして本日のリハ。セッティングをしてサウンドチェックの時です。最後に演奏する予定のミクロの音を出してみた所、音がおかしい。連続して演奏されなければならない音に隙間があいてるのです。あれ? と思ってMacの画面を見ると、隣り合うオーディオファイルの間に隙間がある。隙間なく繋がっていなければならない所なのにです。これでまず背筋がゾッとしました。
実は同じ様に当日のリハで背筋がぞっとした思い出があります。それは2003年2月23日のネガポジでのライヴでのリハ。6年ちょっと前の事です。この当時もノートパソコンで、ベースも打ち込みの今と同じ編成でライヴをやっておりました。ただ、MacはPowerBook1400。ソフトはOpcodeのVisionで、音源はオケ用にYamaha MU500で、ベースとクリックにyamaha MU80でした。ベースとクリックに同じ音源を使ってたのは、お互いモノラル出力で良かった為です。この時起こったのはデータ自体の消失! まさに顔面喪失な出来事でしたし、実はバックアップも取ってなかったという恐ろしい事態でしたけれども、そのライヴ用のデータは無くなったものの、元のデータはありましたので、何とか急場はしのげました。なんせMIDIだけの世界でしたし、音源が外部のハード機器だったので、有る意味単純なものでしたので。
今回はとりあえずリハを順調に消化して、リハの後に楽屋で何とかしよう。幸いにも今日は製作用のハードディスクがあるのだし......と、『ボク』と『フジー』と『Hell Ditty』あたりをやりつつ----といいながら、気が気でなくてリハに集中できておりませんでしたが----リハはikubon氏が弦を切ったりはしましたが、いつも通り順調に終了。いつもはそのままMacとかオーディオ・インターフェイス類をまとめてステージ上に置いておくのですが、今回はそのまま楽屋へ持って入りデータの検証と修正をしました。
検証とはいっても、その現象を見た時にすでに何が起こっているのかは理解できておりました。その辺りは別の日に詳しく書く事にしますので今回は省略しますが、とりあえず『ミクロ』のデータのみダメになってるので、『ミクロ』のデータを全て消去して、元のデータをコピーして再度ableton Liveのアレンジメント・ウィンドウへ配置しなおしました。ヘッドフォンで聴きながらチェックしてみた所は問題無しのよう。楽屋でそんなに場所を取ってるのも忍びないので、そのまま細かいチェックをせずに終わりました。全てのバンドのリハが終了した後、Mac類はステージ上へ持っていきスタイバイ。この後、悪夢の出来事が起こるのを知らずに......。
その後、本日のメインの行事である打ち上げの前倒しでもある『つるやお食事会』へ。あれこれ食べたいものを考えるも、やはり3人ともいつものものを注文してしまうのでした。別の席でおじさんが店の人にしきりに「美味しかった」と言っておりましたが、本当に今日も美味しかった。満足になってファミリーマートへも寄って楽屋へ。念のためにもう1回『ミクロ』のデータを再生してみたところ、何とやり直したものじゃなく、おかしかったデータまで綺麗に直ってる! まさにミステリアス。単にableton Liveが誤作動を起こしていたのか? それでの念のために本番は修正したヴァージョンでいく事にして、本番が始まりました。さぁ、悪夢の時間です。
『ひげの魔法』はひさしぶりにやったのですが、最近ずっとやってた序曲部分のオーケストラ版をやめて、今回は通常盤に戻しました。MIDIデータ的にはオーケストラ版とほぼ同じなのですが、シンセをNIのものに差し替え、マリンバの音も変更しました。『ニャピョンガ』と『おやまのフジー』はノンストップで、その後新たに用意した8小節のループの上に語りを乗せて、『Hell Ditty』のとなだれ込むようにしました。で、そのままノンストップで最後の『ミクロ』へ。
その時が来るまでは、まずまず楽しく演奏出来ておりました。個人的にはスネアがちょっとづつ下がって来る現象----これは前回のライヴでもそうだったので、スネア・スタンドのパーツがへたってるのかもしれません----と、18インチのクラッシュ・シンバルを止めているストッパが1曲目途中で何処かへ飛んでいって、シンバルを叩くたびに自由に動きまくってくれる現象はありましたが。
そしてとうとうやってきました。『ミクロ』。今回『Hell Ditty』と『ミクロ』がノンストップで繋がってるので、それ用に繋がってるデータを作ってあります。『Hell Ditty』が始まったとき、『ミクロ』の例のデータが変になってた部分を確認して、ちゃんと隣り合ったリージョンがばっちり隙間なく繋がってるのをこの目で見てたので、安心してさぁあと1曲! 全力で行くぞ!! と思った矢先でした。
確かにちゃんと変になってた部分は大丈夫に聴こえていたのですが、その後、ワタシの右耳で鳴らなければいけない筈のクリック音が外で鳴ってる!!! あれ? 打ち込みギター音が右耳で鳴ってる! もうパニック状態です!!! このまま知らん顔で突き進むか、曲を停めるかを瞬時に判断しなければなりませんが、こうなるとやっぱりどう考えても停めるしかない。絶対にやりたくないと思ってた事なのですが、しょうがなくストップを押しました。
M.Cで繋いでもらってデータを確認してみましたが、恐ろしい事にデータの並び方がぐちゃぐちゃになっておりました。後で分かったのですが、この曲の元データが2つあり、これが1つづつトラックの並び方が違っていて、修正のためにコピペした時に、違う方のをコピペしていた用なのです。ステージ上で鳴らすとアウトが4つあるのでクリックが表に出たり、ギターがヘッドフォンに出たりしますが、楽屋で確認したときには4つのアウトが全てヘッドフォンのLRに出るので、それで気付かなかった様です。それ以前にちゃんと同じトラックにそのトラックの音がコピペ出来てるのか、もうちょっとちゃんと確認出来ていれば良かったのですが、思い込みとは本当に怖いものでございます。
こうなるとこのデータは使えない。そうなると変になってた方のファイルしかないか! 楽屋で再度確認した時には直ってたし!! これまた思い込みは本当に怖い物だと思う訳ですが、それは後で冷静に考えるからであって、パニックの時にはそんな冷静な判断は出来ません。ライヴからの帰りの車の中でやっと冷静は判断が出来たのですが(苦笑)、これ、もう実際に演奏は停まってしまってる訳ですから、何も繋いである悪いファイルの思いを巡らせる必要もなかった訳です。元ファイルを開けて、それをスタートさせれば良かっただけの話しです。それは至って健全なファイルなのですから。しかしパニック状態。もう残るはこのファイルしかない! と思い込んでますので、あまり時間もかけてられないので、イチカバチカ、そのファイルをスタートしたのでした。しかも途中から(苦笑)。もうこの演奏は何をどう叩いたかをまったく憶えていないのです。いつもしんどい曲なので、大変だなぁ......と思いながら演奏するのですが、そういうのも思った記憶が無いのです。ただ、上手い事いってくれ! 無事に終わってくれ!! と思っていたのと、これが夢であってくれ! とずっと思っていた気がします。
結局はギターのカッティング・ソロ後くらいまではなんとか持ったと思うのですが、それ以降打ち込み音がベースも含めて何故か止まってしまいました(涙)。でももう停める事は出来ません。そのまま行くしかありません。結局、かっこわるいですが、そのまま最後まで。何故か最後のシンセのシュワーっていう音だけが鳴ったのは苦笑してしまいましたが、それでも違うタイミングで違う音がでまくってしまうよりは、音が止まってしまった方が良かったのかもしれません。
それにしても、これは悪夢以外のなにものでもない感じです。もう穴が有れば入りたい気分です。見てくれていたお客さんにも申しわけなくて。本当にすみませんでした! この借りは絶対に返しますので! どういう方法で返したら良いのか、まだはっきり分かりませんが。絶対に返しますから!!!!!
今月は5回もスタジオに入り、『ミクロ』までは順調に出来ていたのに。これが最後の曲に起こったというのは悲劇でしかありません。全てが台無しになってしまいました。回避出来る方法は何通りかはあったのに、それに気付けなかったのが悔しくてしかたがない。ワタシの責任です。メンバーにも申し訳ないです。起こってしまった事はどうしようもないですが、これを教訓として、これからもっともっと良いライヴが出来る様にしていきますので、これに懲りずにまたpazapのライヴを見てくだされば幸せです。
幸いな事に今月はもう1回ライヴが決まってます。18日Vox hallにて。Vox hallはアリーナから3階席まであるので(笑)、音の回り方が(特に打ち込み同期バンドだと)気になる所ですが、この悪夢のライヴをバネにして、3階までビョーンと跳ねますので(うちのフロントマン2人が!)是非観に来てください! チケットは無料です。当日受付でドリンク代500円払ってもらうだけのライヴです。20分1本勝負。M.Cなしのノンストップで行きます。平日の夜ですが、出番はだいたい20時頃なので、京都市内の方は時間があればふらっとお立ち寄りくださいませ! よろしくお願いします!
最後にこんなライヴでしたけれども、素晴らしいArcdeuxのスタッフの皆様、そしてライヴ見てくれた皆様。そして対バンの皆様。本当にありがとうございました!
借りは返しますからっ!!!!!!!!!!